2.12.2013

薔薇と菊と日本人

「お義父さんはお花をくれなかった」、「お義父さんはお花をくれなかった」、「お義父さんはお花をくれなかった」というお義母サマの長年による(小言)英才教育により、義妹は婚約者にお花を求めるように育ち、彼は女には花が必要なのだということを何となくは理解するようになった。(義父の名誉の為に敢えて書かないが、そう言われても仕方ないかな?と思えてしまう回数なのだ。嗚呼、名誉挽回ならず。お義父さん、残念。)

結婚してから生花が切れたことはないというのはさすがに誇張し過ぎだが、それでもお花をプレゼントしてくれることは多いと思う。とは言っても贈られるのは日本のようにフラワーショップでアレンジされた繊細で美しい花束には程遠く、スーパーの一角に売られているワンコインで買えそうな商品だ(決して文句をつけている訳ではなくて、日本のように様々な種類が取り扱われている訳ではないけれど、花との距離が近いというか、割と手軽に買える)。「どんな花が好きなの?」と聞かれてもスーパーでワタシの好きなトルコ桔梗は見かけない。植物名にも疎いので適当に薔薇と答えたワタシを待っていたのは切られただけのフレッシュな薔薇の束。文字通り、旨い話には棘がある事を身を以て知った新婚当初であった。

前置きが長くなったが、先日ある出来事があった。彼が買って来てくれた花が菊だったのである。

長年あっちへフラフラ、こっちへフラフラと自由(しかし残念)に育ち、参列も過去10年はしていないワタシですら衝撃が走った。こんなに残念でも日本人だったのだ。その場は笑顔で取り繕い、後にこっそりググったが、彼には何も話していない。彼の好きな花は菊なのである(そして花の持ちが良いので実はワタシも好きなのだ)。

いつか機会があれば伝えようかと思うが、来日時のワタシの家族へのプレゼントが菊の花でないことをこっそり祈るのみである。



 こんな所にも、菊。
しかし、この記事を書く直前まで「菊と刀 」がハル・ライシャワーによるものと誤って記憶していたワタシはやはり残念だった。

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