12.02.2013

脱英の喜び (EEA2滞在許可取得まで)

ついにこの日が来た。あのパスポートを手放したあの日から5ヶ月してようやく滞在許可が下りたのだ。

今年のクリスマスはデンマークに帰れるのか?まだか、まだかと首を長くして待つどころか、迂闊にも(と言うか必要に迫られて)引っ越してしまったので、申請時に住んでいた家の鍵を返却するまでにビザが降りるのか、そしてRoyal Mail は紛失することなく配達してくれるのか?と、毎日のように追跡番号をチェックしていた日々にようやく終止符を打つことが出来た。

追跡番号の他に常時チェックしていたのが他の申請者が集うオンラインフォーラム。ちょうどワタシより3週間先行して申請していた方のタイムラインとワタシのこれまでの進行のペースが同じだと気づいた。それに当てはめるとワタシのパスポートもそろそろ届きそうだという目論見もあった。

そして12月上旬のとある早朝、もはや毎朝の日課になりつつあった追跡番号を調べていたら、ネットの調子が悪いのかエラーが連続。お昼過ぎに再度チェックすると既に配達完了となっている。サインが必要な筈なのにどうやって?と真っ青になって彼に連絡すると、急遽ビューイングが入ったらしく、お昼休みに家に立ち寄った際に配達員と鉢合わせる形でパスポートを受け取って仕事に戻ったとのこと。ビューイングはドタキャンされたが、そんなことどうでも良く思える出来事だった。

その日の夜にデンマーク行きのチケットを購入したのは言うまでもない。



 (2015年10月追記)

この記事はてっきり公開したものだと思っていた。すっかりブログなど放置していた事は棚に上げて、ビザ関連で拙ブログを訪問してくださっている方が多いようなので、ビザ関連の情報を少し。
上記にリンクを貼ったのは immigrationboards.com の中にあるオンラインフォーラム。Home から United Kingdom - non - Tier そして EEA-route Applications へ進み、そのページのやや下の方に EEA Application Timeline というスレッドが立っているので、そこで最新のページを開くと最新の申請者のタイムラインが書かれている。

私の場合、申請してから Home Office から3度書類が届いた。1通目は書類を受け取った旨が書かれたもの。2通目は CoA(Certificate of Application)と呼ばれる、就労の有無が記された書類。3通目が5年の滞在許可のステッカーが貼られたパスポート。

シリア難民の影響でもっと時間がかかるものと思っていたが、友達は2015年の初夏に申請し、4ヶ月弱でパスポートが戻って来たようだ。


11.18.2013

House Hunting: Round Two

引っ越してから三ヶ月。旦那が出社してしまうとワタシが何処にも行けないと言うのが一番の理由なのだが多々不満に思える所が出て来たので、まだまだ六ヶ月の入居期限満了まで時間があったが、前回の散々だった苦い経験を活かし早めに次の家を探す事にした。

条件は、ワタシが歩いて買い物に行ける立地で、ネコ可、収納スペースがあり、食洗機を置けて、駐車場も路駐ではないと言うのが第一条件。第二条件がホームシアターを復活させるべく、プロジェクター及びスクリーンを設置出来るスペースがあること(イギリスの典型的な間取りで例えるなら、暖炉が潰れていること)。譲りに譲って部屋数が少なくなることだった。

時間があるとは言え、延ばし過ぎるとクリスマス休暇に突入してしまうので、ある程度妥協するのを覚悟で探していたら、まだ工事中のとある新築物件に巡り合った。そんなにガラの悪い地域ではないのにゲートに囲われ、セキュリティーカメラも設置されている集合住宅である。見学してみると、昨今の新築物件通り間取りが狭い上に収納スペースがない。食洗機も小さいサイズに買い替えればギリギリ納まる。

完成まで時間はありそうなのだが、ワタシ達が入居したいレイアウトは一軒だけで、残りは更に狭い。申し込んでしまいたい気持ちを抑え即答は避け、その場を後にした。翌朝にもビューイングが控えていたのである。「もう一軒だけ見て、それから返答しよう。」この判断は、2013年後半で下したベストのものだった。翌朝の物件がアタリだったのである。

賃貸サイト上では改装中で家の雰囲気が全く掴めなかったその物件はダウンタウンまで歩いて行ける距離にあり、ホームシアターこそ叶わなかったがワタシ達の条件を全て満たしていた。室内飼いの猫はデポジットを多く払うことですんなり解決し、更に庭にはクッキング用の林檎の木と言うオマケまでついて来た。大家も、不動産屋も良いヒトだったのも大きい。入居日が予定より早かったが、こんな良物件が二度と現れる事はないのでダブルで家賃を払うことを承知でその場で口頭で申し込み、週明けに書類にサインをした。

ホームシアターと猫。 まだまだ仔猫だったデンマークにいた頃。


11.04.2013

ナビに弄ばれた日

先月敗北したコミカレ戦に懲りることなく、次なるターゲットを絞り、近く(でもないが)の大学で開催されているコースを取ることにした。運よく初回のレベルチェック日は彼が運転手を務めてくれることになり、ドライブデートを兼ねた通学路と駐車場の下見は事前に済ませておいた。

話は変わるが日本とイギリスは共に右ハンドルで、左ハンドルの他のヨーロッパの国々と違いそれ程運転に差はないのだが、違うのはウィンカーとワイパーが逆と言うことだろうか。飲み込みの遅いワタシは晴天時に不必要にウィンカーを作動させて一人あたふたした事が何度もあった。逆に雨天時のウィンカーの記憶がないのはワタシが学習した訳ではなく、それまで雨の日に車に乗る機会がなかっただけの話である。それ程運転に慣れていなかったペーパードライバーが一人で高速を使い遠出するのは、ある意味チャレンジングであり、他のドライバーにとっては迷惑以外の何物でもない行為である。

さて、緊張の授業初日、早めに帰宅してくれた彼とバトンタッチする形で車を確保。ラッシュアワー時の交通量は予想こそしていたし、ラウンドアバウトは恐怖の連続だったが、トラブルは一度エンストさせた位で冷や汗をかきつつどうにか学校に到着する事が出来た。ほっとない胸を撫で下ろしたが、この時は至難の帰路を迎える事のなるとは思いもしなかった。

授業後彼に帰るよテキストを送り、夕方のラッシュとは打って変わって静かな道路で、かなりリラックス。ナビゲーション(以下ナビ)を忠実に守り車を走らせるも、ラウンドアバウトでの出口が見当たらない。クルクル二周ほどまわった所でようやくワタシの乗りたい高速が道路工事で閉鎖されているも、ナビにその情報が反映されていない事に気付いた。いつも運転手を彼に任せっぱなしで土地勘が全くない自分に舌打ちしつつ、往路で使った高速道路よりもメジャーな高速に乗り、途中で下りて帰路に着く事にした。

心なしか行きよりもトラックが多く感じた道に慣れた頃、見覚えのある名前の町への出口で高速を降りてナビを再設定し、心新たにハンドルを握るも何か違う。段々と道幅が細くなり、田舎道と言うよりも、もはや農道?キツネやウサギの集団を目にする事、数回。対向車に道を譲ったらもう車道に戻れなさそうな程の一本道を延々と走らせされること数十分。ようやく家の光を目にした時のワタシは半泣きだったと思う。夜道が恐かった事もあるが、何かあった時にワタシの脆弱な携帯では対処出来ない不安の方が大きかった。

振り返って書いてみるとつまらないが、当時の自分にとっては一大イベントであった。何もなくて良かったが、それ以降は帰路の道路工事情報をチェックしてからナビを設定する習慣が付いたと、自分の名誉の為に書き加えておこう。

10.07.2013

コミカレに敗れる

労働許可は下りたけれど、働く場所もないし、通勤手段も限られてるので、さらさら仕事など探していなかったのだが、いかんせんヒマ。このままだとアタマが溶ける、と、近くのコミュニティーカレッジ(以下コミカレ)のコースでも取ろうかとカタログを手にとったのだが、ドイツ語の人気のなさをつくづく実感させられた。じゃ、仕方が無いのでスペイン語でも取ろうと言う柔軟性にも欠けるワタシに残された道は英語のブラッシュアップ。せっかく英国にいるのだから、英語の資格が一つや二つあっても悪くなかろう。

早速電話でその資格のレベルのコースが開かれているか確認するも、散々たらいまわしにされた挙句、スッキリした回答が得られず、レベルチェック時に直接講師に問い合わせる事にした。

話は逸れるが、車がなければ何処にも行けない田舎住まいのワタシにはフラッと出かけるコトが不可能で、日中車が必要な場合は朝晩は彼の運転手を務め、車を確保しなければならない。こんな些細なコトがぐうたら主婦には良い刺激になるのである。と言うか、すっかりペーパードライバーに成り下がったワタシには心臓に悪い一大イベントなのだ。しかもワタシ達の車は新車。傷もつけたくなかったので休日の車が空いている日に車庫入れの練習に巨大駐車場を構えるコミカレまで出向く必死振りである。

で、やって来たレベルチェック当日。いつもより早起きして彼を会社に送り、冷や汗流してコミカレまで運転して行ったにも関わらず、ここまで念入りに事前準備をして来たにも関わらず、「アナタに合うレベルのコースはオファーしていないわ」のつれない返事。よくよく話を聞くと移民向けのコースしか開催していない様子。比較的大都市の近郊の語学学校の情報を貰っただけで終わってしまった(いや、そこに行きたくないから近場のコミカレで手を打ちたかったのだが)。

のらりくらりとした電話対応やら、講師の英語の資格の知識やら、イギリスの洗礼を受けていることを実感したコミカレ長期戦。生殺し的に敗北ですわ。







9.17.2013

在英3ヵ月

自宅に引きこもっているには勿体ない位の晴天に恵まれた9月のとある週末、車でウォーキングに出かけた。車道はフラットなデンマークに比べ高低の差が激しく感じる。あえて例えるならジェットコースターと言った感じか。そんな道路を走り、いくつもの町を抜けるだけでも新鮮だったのだが、彼の地元の同僚に薦められたその場所は着いてみたら納得の地元民に愛されるお散歩スポット。駐車場もびっちり埋まっていた。

これは期待出来る、と希望で胸ふくらませるも、小腹が空いていたワタシ達。膨れたのは駐車場で美味しそうに売られていたホットドックで埋まったお腹の方だった。しかし、小川に沿った手が行き届いているコースと、そこを行く小さなお子さんや犬を連れた家族連れを見るだけでも幸せになれた午後だった。

普段ぶぅぶぅ文句を垂れてばかりだが、こんな経験が出来るなら、イギリス生活も悪くないと初めて思った在英3ヵ月。

帰り道は羊達がお見送り


9.10.2013

まだ土地に慣れていないと感じる時


あまりにも暇なので、ドイツ語でもやろうかな?と、引っ張り出して来たのは CASIO Ex-word XD-L7150 電子辞書 確かパネル式が導入される1つ前のバージョンで、今でもオークションで取引されている程の影の人気商品だ。が、辞書選択が出来ない。他のボタンもうまく機能しないので思い切って解体してみることにする。保障期間は既に切れているし、メーカーも対応してくれないので仕方ない。


電子回路なんて全く分からないが、断線している様子もないので導電ゴムの劣化だろうと推測して処置を進める。嗚呼、日本だったらアルミテープなんてものが手軽に買えるのに。嗚呼、日本だったら両面テープなんて大抵の家庭にありそうなものなのに。

仕方なくノリとアルミホイルで応急処置。嗚呼、ホームセンターの場所どころか店名すら分からないイギリス生活2か月目。

9.03.2013

ホームシック

先日デンマークの義母から救援物質が届いた。中身は食品。ありがたいことである。

「アレがない。コレがない。」とはデンマーク生活で十分感じたことだったが、1年もすれば慣れるだろうと思ったし、慣れたつもりのワタシが浅はかだったのだろう。デンマークにすらあったものがイギリスにはない現実に、「アレがない。コレがない。」と最初の2か月はひたすら不満を漏らしていたように思う。

デンマークではドイツ系スーパー Lidl の徒歩1分内に住んでいたし、自転車で5分も走れば更に2件別のスーパーへアクセス出来ていたので全く不自由しなかった。特にLidlは我が家の冷蔵庫及びパントリーの役割を果たしていたので、イギリスでの生活が不服になるのも当然と言えば当然な成り行きだ。

事前にイギリスにもLidlがあることは確認していたけれど、いざ店内の陳列が同じで取扱い商品も同じものが多いことを確認した来店初回はほっと胸をなでおろしたものだ。「胃袋を掴んでおけば・・・」ではないけれど、食生活を劇的に変えなくても済みそうな現実に、イギリス生活も何とかやっていけそうな気がする。




デンマーク製のバター スプレッド式とは言え、まさかの1キロ入りにお目にかかれるとは だからみんな大きんだよ